パーパス製品の取り付け工事を担う株式会社パーパスエコテック。高い評価を得ているその工事力と専門性、優れた技術を、さらにパーパス製品採用につなげることはできないか――そんな思いから始まったのが新築物件へのアプローチだった。ほぼ一人でゼロから人間関係を構築し、新たな道を切り開いた、株式会社パーパスエコテック千葉オフィスの小山直輝に聞いた。

新たな商機は「現場」にある。新築物件への道を拓く

パーパスエコテックは、パーパス製品を扱う施工販売会社である。パーパス製品を知り尽くし、多くの現場でその工事力と技術力が高く評価されている。一方で、パーパスエコテックならではの強みを活かして、シェアアップにつながる商機を開拓できないか、常に可能性を探っていた。代理店が元請けとなり、パーパス製品の工事案件があれば、メーカー兼施工会社として声がかかるという主軸の商流の、新たな糸口として浮かび上がったのは、新築のアパート、マンション。千葉オフィスの営業担当・小山直輝は次のように話す。
「土地の有効活用の一つとして、首都圏近郊でアパート、マンション建築が増えていました。通常は、建設会社から代理店経由で、施工の依頼が来るが、実は現場レベルで信頼関係が築けていれば、代理店を通さず、現場監督から直接依頼があることがわかった」
現場のスペックに特定のメーカーがあらかじめ落としこまれていたとしても、実際に納期や現場の様子を見て設備を選定・采配するのは現場監督。もし現場監督の判断で、パーパス製品を選んでもらえたら、販売、施工をワンストップで引き受ける、パーパスエコテックの強みが存分に発揮できるのではないか。
これまで手薄だった新築物件へ、道を拓くべくプロジェクトが動き出した。

初めての新築現場で、ゼロから人間関係を築く。

2017年にはすでに取り引きが始まっていたものの、そこまで本格的ではなかった。引き継ぎも含め、小山がただ一人、営業担当として浦和市や千葉市を中心とした千葉エリアで、新築への営業を始めたが、最初は苦労の連続だったと当時を振り返る。
「それまではリフォームや給湯器の取り換えの営業として一般ユーザーのもとに出向くのがほとんどで、新築の営業は初めてだった。私自身、製品の知識もまだ乏しい上に、工事現場に行ったこともなかったので、現場でどう声をかけていいか、そのタイミングすら分からなかった」
新築の現場には、現場監督を筆頭に、職人、電気の工事関係者、足場の関係者など、さまざまな人が常に出入りを繰り返している。いつ声をかけていいのか、いつ名刺を渡せるのかも、まったく判断がつかない。関係を築くにはまず、顔と名前を覚えてもらわなければならないが、そこまでのハードルは決して低くはなかった。
「それでも、現場があれば足しげく通った。なにも声をかけられないこともあったが、それでも現場には足しげく通った。それを繰り返し、少しずつ分かってくることもあった」

丁寧かつ迅速なレスポンス。積み重ねが信頼につながる

小山が心掛けたのは、丁寧な対応ときめ細かい工期の確認だ。 「まず、挨拶は欠かさないこと。現場近くを通る時には、極力顔を見せるようにしていた。現場監督によって、コミュニケーションの仕方も人それぞれなので、積極的に名刺交換はしたが、仕事中の忙しい時間にしつこく電話をかけるような営業はしなかった。ただし、相手からの問い合わせには、できるだけ迅速に対応した」
給湯器を取り付ける際、通常は監督立ち合いのもと、その位置を決めるが、後日「前に位置を出したが、相談したいからもう一度現場に来てほしい」と電話が入ることもあった。そんな場合には、すみやかに現場に赴く。いくつも同時進行している現場で、それぞれの進み具合を確認・把握し、工事に入れる職人を、的確に手配することも忘れなかった。
また、通常は工事担当者がやるはずの「墨出し」(給湯器を取り付ける高さのしるしを付ける)を、営業担当である小山自身が毎回行っていたことも、施工現場を知っているという印象を強くし、信頼につながったのでは、とも話す。
「前任者から教わったことを、そのまま行っていたが、そういう対応を毎回丁寧にこなしているうちに、少しずつ認めてくれるようになったと感じる。監督によっては気に入って毎回採用してくれたり、次回もパーパス製品で、と言っていただけるようにもなった。もちろん、元請け会社の後押しもあるので、私だけでなく、代理店の努力もあると思う」
他社にはない、パーパスエコテックならではのレスポンスの高さ、対応力が、ここでも大いに発揮されていた。

新たな開拓に向けて、確固たる関係を

新築物件への商機開拓は、小山が現場でゼロから築いた関係により、徐々に数字を伸ばしつつある。2017年度の約210台、物件数26件からスタートし、2020年度は約120台(半期)、物件数14件(半期)と、まだまだその可能性を広げている。
小山に今後の目標を尋ねると「支店によっては、まだ全然開拓できていないところもあるので、そちらにも積極的に広げていきたい」と抱負を語ってくれた。
「幅広い年齢層の現場監督と知り合いになり、少しずつ関係が深まっていき、親しくなっていると実感している。今回、新築に入り込んでパーパスの製品を設置できたということは、10年後の取り換えにもつながっていく。これまで築いてきた人と人とのつながり、関係性の中で、次もパーパス製品を選んでもらえるように、これからも努めていきたい」

小山 直輝KOYAMA NAOKI

株式会社パーパスエコテック
千葉オフィス